Driving
「やっべ、コンタクト!!…あ、ごめん、鞄後ろだ」
「あ、これね」
私は足元にあった鞄を遼太に手渡そうとした。
しかし。
遼太は鞄ではなく――私の腕を引っ張った。
一気に縮まる距離。
「ッ!?」
「…一度は、諦めようとも思った。でも」
遼太は苦しげに顔をゆがませる。
「無理だ。
――尚也が亜樹を好きになる前から…俺はずっと好きだったよ」
そうして、唇を奪われる。
私は抗うこともできず、遼太に身を任せた。
fin.