桃色の初恋〈上〉


2人の間に流れる沈黙。


『...今度は矢崎がキスして。』


もう止められない。
私の中にはもう一つの恋心が芽生えたんだ。


矢崎は私にキスをした。
矢崎は、きっと私以外の誰とでもキスをして
るんだろう...そう思ってもやっぱり好
きだよ___


私たちは、長い間、そのままだった。
愁がそのうちここに来ることを忘れていた。


『...ごめん。私おかしいよね。二股かけ
 るなんて、酷くて悪い女だよね。』

「俺はいいよ。お前のこと守れるなら二番で
 も...」

『一番とか二番じゃないの。あなたのことが
 ・・・』

「言わなくていい。」

矢崎は私を後にして、帰って行った。


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