桃色の初恋〈上〉
きっと、矢崎は愁がここに来ることを察
知したんだね。
「紗季、ごめんごめん」
愁と圭太君が来た。
愁はいつも通りの笑顔。
愁には罪はない。
「あれ、夢ちゃんは?」
『教室に忘れ物取りに行った』
「圭太君~!!!」
「あっ、夢ちゃんだ!」
夢が戻ってきた。
「じゃ、帰ろうか。」
『うん。』
私は、冷静を装ってる。
必至に愁の前では、もう一つの顔は見せな
い。
「な、圭太は夢ちゃんのことどう思ってんだ?」
「どうって」
「いいんだよ、夢は♪圭太君に彼女いるの知
ってるから。」