桃色の初恋〈上〉

「ごめんな。」

「どんな人なのか、教えてよ」

夢は、圭太君と向き合っている。
こっちに振り返ることはないって分かって
ながらも。

「伊達愛子って言う人で、同い年。愁の
 幼馴染でもあるんだ。」

『そうなの?』

「うん。隣の家なんだ」


愁はそう言った。
未来、この二人が結ばれるなんて、もちろん
予測なんてしてなかった。


『愁はさ、私の前、どんな人と付き合ってた
 の?』

「年上の人。でもさ、よくわかんなくて。
 浮気されて別れた。」


浮気されて別れた___?


「俺、ずっと浮気されてるって分かってた
 けど、離れられなくて。別れは彼女が切り
 出してきた。」


『愁は、浮気を許すの?』

「どうかな~?わかんねーな。彼女のことすっ
 げー好きだったら、意地でも別れないなぁ」




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