桃色の初恋〈上〉
私と愁は萌の部屋を後にした。
「妹さん、傷ついてるけど、体を傷つけ
られなくて良かったな」
『うん、まぁね...』
「俺たちってさ、一生このまま秘密で付
き合うんだよな。」
私たち、皆にばれないように付き合ってる。
バレたら、愁は退部になるから___
『愁が退部になったら困るもん。やっぱ
秘密だよ。』
「キスしていい?」
『いいよ』
愁は久しぶりに私にキスした。
でもね、私は一瞬、愁の顔が矢崎に見えた。
ボタンに手をかけられた時、
『ダメ...』
「どうした?」
『今日は止めよう』
実は、私の背中には昔矢崎につけられた
根性焼きがある。こんな汚い姿____