桃色の初恋〈上〉

「わかった。」

『私の体見たら、愁は私から離れてくよ
 ...』

「そんなことねぇよ」

『もしかしたら、一生見せられない』


本当に、愁、私の体はけがれてるの。
だから、見せられないよ_____

一生、そうかもしれない。
だって、この傷が治ることはないから。



「ひとつ言っとく。俺は絶対離れないし、
 お前のこと、絶対大事にする。」



そう言って、愁は帰って行った。



こうなるのも全部矢崎のせいだよ____
こんなにも傷つけられたのに、何で?

私は、背中の傷を鏡で見た。


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