桃色の初恋〈上〉
愁は、私のこと五十嵐って呼んでたけど
たまに、紗季って呼ぶようになった。
それも、愁が私の気持ちを知ってたから
なのかな?もしそうなら、私は愁の心を
ずたずたに傷つけてたんだね...
「紗季、最近愁君と上手くいってんの?なんか
最近2人ともぎこちないよ。」
『そう?普通だよ~。』
「愁君、最近、一緒に帰ってないんだって?」
夢は、なんでもわかっちゃうんだね。
『あぁ、最近、あたし忙しくて。』
「何があるの?」
『家事とか、習い事・・・』
「それは今までもそうだったじゃん。本当
のこと教えて!!愁君には言わないから。」
『夢は、あたしのこと怒らない?』