桃色の初恋〈上〉
こんなに矢崎が電話をしてくるなんて
何かあったんだ、と思った。
その予感は的中した。
『もしもし。さっき出れなくてごめん!
つか、何の用?』
「...」
『聞いてる?矢崎?』
「...私は矢崎翼の母です。」
『えっ』
電話に出たのは若そうな声の矢崎のお母
さんだった。
お母さんの声は今にも途切れそうなくら
い震えていた。
「私が電話かけたんです。通話履歴、あな
たばっかだったから・・・翼、交通事故
で今、病院に____」
『嘘...嘘ですよね...?』
「本当よ。」
私の手から携帯が落ちた。
そして、私は矢崎のいる病院へと向かった。