桃色の初恋〈上〉

矢崎...どうして?
私のこと、守るって言ってくれたじゃん?
なんでよ...


死なないで___ずっと一緒にいたいよ。


私は、矢崎が好きだよ...



泣かないように頑張った。
泣いたら、矢崎が死んじゃうような気が
したから。



病院に着くと、矢崎のお母さんが私を待
っていた。


「遅い時間によく来たわね。あなた、翼
 の彼女?」

『...はい。』


少し私はためらった。


「紗季ちゃんね。昔から話はよく聞いてた
 わ。」


昔から...?矢崎は本当に私のことを好き
だったんだ。


「翼はICUにいます。」






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