桃色の初恋〈上〉


「紗季ちゃん。大丈夫だった?」


教室に戻ったとき最初に声をかけて
くれたのは圭太君だった。



『うん。より戻すことになった。』

「そ、っか。」

『私さ、あんなにひどいことしたのに
 幸せになっていいのかな...』


「いいと思う。愁は紗季ちゃんのことが
 好きでたまらないんだよ。」


『...』


「学校辞めるの?」

『ううん。辞めない。』




辞めない。愁が私のそばに
いてくれるから。私もきっと
愁なしでは生活できない。




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