桃色の初恋〈上〉


「起立!」


担任が入ってきた。


「愁は?」

『今、教室に向かってる』

「初日そうそう遅刻扱いだな」



「遅れてすみません!」

「大原!おまえは去年も遅刻魔だったな」



愁は担任を無視して席に座った。



席は私の2列後ろの席だった。



「紗季、ありがとな」

『いえいえ』



私の学校の生活は、
愁と付き合い始めた頃の輝きを
取り戻した。




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