桃色の初恋〈上〉

『ごめんね・・・』

「何が?」


なぜか私の目には涙が溢れた。


脳裏に浮かんだ過去の記憶が怖かったのと
愁の優しさが痛かった。


「やめるか。今日の部活。な」



愁は笑いながら私に言った。

私に何があったのか問いかけずに___



『・・・でも、愁は出なきゃ。』

「今は五十嵐が心配だから。」




唐突だけど、これが私と愁の急接近した時
の話。




この後聞いた話によると、愁が部活を休んだ
のはこの1回限りだったらしいし、

マネージャー初日から部活をさぼった私は
夢に寂しい思いをさせたらしい。










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