桃色の初恋〈上〉
「俺、すぐ着替えるから・・・でもそこ
にいると誰か先輩たちに見つかるよな・・・
部室、臭いけど入って。」
『でも、愁着替えるんでしょ?』
「大丈夫、俺、女じゃねぇから恥ずかしく
ねーよ。」
愁は笑った。
『じゃ、遠慮なく。』
愁が着替えてる間、1回愁のほうを見たけど
恥ずかしくて、すぐ目をそらした。
『ねぇ』
「ん?」
『何があったか聞かないの?』
一瞬、愁の手が止まった。
「人は聞かれたくないようなことが1個は
あるからさ、聞いたら、五十嵐泣くだろ?」
『・・・そうだね。』
「ま、聞かなくても泣いてたけどね。」
『バレタか』
「もろ泣きだったくせに。」