桃色の初恋〈上〉
そんな重い空気が漂う中、私の家に着いた
「五十嵐ん家、でけーな。」
『父の仕事、愁のお父さんと同じ仕事だか
ら。家だけおっきくても意味無いけどね』
「な、メアド教えて。何かあったら俺、す
ぐ行くから。」
『うん。』
なんで、愁はこんなに優しいんだろう。
学校では、皆からモテて近寄りにくいけど
こんな私にも優しくしてくれる。
『ね、愁は何でこんなに優しくしてくれるの?』
「何でだろーな。俺と同じ思いして欲しくない
から・・・」
この時からわかった。
愁には皆に言えないような大きな秘密を抱
えているという事を____