桃色の初恋〈上〉
私、愁の家に行ってみよっかな。
愁が帰ってくる時に「おかえり」って
言ってあげたい。
『夢、あたし帰る』
「おっ、愁のとこに行く気になったぁ?」
『えっ?』
「実は、圭太君から紗季ちゃんが悲しい
思いしてるかもってメールあったんだ。」
『だから誘ったの?』
「ごめんごめん。全部知ってたの♪」
『もう!』
演技が上手すぎだっつーの!
「帰ろっか。」
『うん。』
この時、私の心の中は愁に会いたい一心
でいっぱいだった。