桃色の初恋〈上〉
愁の家は悲鳴をあげるほど汚くはないけ
ど、床とかに雑誌とか教材が散らばって
た。
男の人の部屋ってこうなのかな?
私は、愁の部屋を掃除することにした。
掃除機とか、どこにあるか分からないから
床に散らばってる物を集めて、本棚に入れ
た。
『これ、何?』
本棚の奥から出てきたのは、一枚の手紙。
読んではいけない気がした。
「ただいま~」
『愁!!』
私は慌てて、手紙を奥にしまった。
「きれいにしてくれたのか?」
『うん、一応』
なんか、夫婦みたい、
そう思った。
「誕生日、おめでとう」
愁はそう言った後、私に小さな箱を渡した
『何、これ?』
「帰ってから見ろよ。」
『わかった。』