桃色の初恋〈上〉
その後もずっと箱の中身が気になった。

『あのね、愁。あたしがここに来たの、
 祝ってほしくてだけじゃないの。』

「・・・弟のことだろ?いいよ、何でも
 答える。」

『ごめんね。』


私、愁にとんでもないこと聞きそうだ・・・


『・・・弟さん、本当は何で死んだの?』

「自殺。」

彼の悲しい声に、私は喉が詰まった。

「俺が、留守中に転落したんだ・・・ベラ
 ンダから。」

『...亮君、自らなの?』

彼は首を横に振った。

「自殺ってことになってる。俺しか事情は
 知らないからな・・・」

『まさか、愁が!?』

「な訳ねーよ。違ぇんだ。・・・矢崎なんだ」


私は、とっても驚いた。
彼の口から語られた真実があまりにも・・・



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