桃色の初恋〈上〉

キスした唇を触って私は泣いた。
これから幸せになれるはずなのに、なぜ
か何もかも失ったような気分だった。


私も教室へ戻った。
もう昼休み、弁当の時間だった。


「紗季!!食べよう!!」


夢は涙眼の私に元気な声をかけた。

『うん!』





矢崎とキスしたことは、一生誰にも言わない。
そう誓った。






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