桃色の初恋〈上〉

放課後、今日から試合に向けての練習が
始まる。夢にもあのことは言ってないし、
私は愁に今まで通りの態度をできるか不
安だった。



「紗季!!あのこと聞けたか?」


今日、学校ではまだ一度も喋ってなかった
愁。何も知らずにいつもの楽しそうな顔だ
った。


『あ、うん...もう、大丈夫だょ。』


私は愁の眼を見れなかった。私は自分自身
でも気づいていない心境の変化があった。
気づいていないんじゃない...気づきた
くなかった。




<愁、私、変になっちゃった。
なんでだろう...矢崎のことが気になっち
ゃうよ。

ねぇ、私、おかしいよね...どうかしてる
よね。>


たった一度のキス。
でもなぜか暖かくて、今までのことがなかった
ことのように___




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