**課のシンデレラ 続
「この離婚届けに俺の名前を書いたのは誰だ?」
「誰だって、春樹さんでしょ?
しかもこれを送ってきたのは春樹さんじゃないですか!
それに一緒にホテルにいたって菫さんから電話をもらったんですよ!」
「(なるほどね。)
確かに同じホテルに泊まってはいた。」
「やっぱり!」
「でも!
同じ部屋なんかには泊まってない。
しかも俺は茉央に離婚届けなんか送った覚えもない。」
「……指輪。
指輪はどう説明するんですか!?」
「(指輪?)
あー、これのこと?」
春樹さんが取り出した指輪は前見たときと全然変わっていなかった。
「それです!
その指輪の裏に彫られている”H”はどう説明するんですか!?
菫陽奈の”H”じゃないんですか!?」
「茉央、菫財閥は何の会社だ?」
「宝石会社。」
「これ、それの試作品。
今回菫財閥と共同しての仕事だったんだよ。
そしたらあいつ、これをわたしてきたんだよ。」