俺は先輩に夢チュー
「作り物なんですから、大丈夫ですよ」
「ちがっ……だって視えるんだよ~」
「じゃあ、リタイアしますか? 俺は別にそれでも……」
別に無理強いしたいわけじゃないし。
それに、センパイは今にも泣きだしそうだし。
泣いたのを慰めるのもいいけど、それは出来ればベットの上がいいなぁ、なんて。
「でも………」
もう涙目になってしまっているセンパイが、俺の方を見る。
あーヤバい。
俺の理性的なものが、いろいろヤバい。
「じゃあ、恥ずかしいのちょっと我慢してくださいね」
そう言ってセンパイと繋いでいた手を離す。
「ちょっ、まこっ!? やだっ」
繋いでいなかった方の腕をセンパイのひざ裏に回し、空いた手で背中を支えるようにして持ち上げる。
見た目より軽くて、細くて、少し不安になった。
力を入れてしまったら折れそうだ。