俺は先輩に夢チュー
「今日、晴れてよかったですね」
自分でも少し苦しい話題だと思う。
でも、センパイは嬉しそうに「そうだね」と返してくれた。
「昨日、楽しみで少し眠るのが遅くなっちゃったの」
照れたようにセンパイは言う。
………だから電車で眠そうだったのか。
「今までこんな風に出かけたことがないからかもしれない。でも………」
と、センパイはそこで言葉を切った。
「でも、何ですか?」
そう問いかけると、センパイは少し顔を赤くした。
「やっぱり何でもない」
「何でですか? めっちゃ気になるんですけど」
「いいから。ほら、次あれ乗ろう?」
そう言ってセンパイが指差したのは、観覧車だった。