俺は先輩に夢チュー
「センパイ、エロい。襲っていい?」
「は? ちょっ、まこっ!? ばかっ、やめっ!」
あーセンパイ好きだ。
いつも無表情で、必要なこと以外喋らなくて。
冷静に物事を分析し、生徒会の仕事も完璧。
そんな人が、俺の行動でこんなに乱れて。
まぁ、半分以上ネコのおかげだけど……。
誰も見たことのない表情を、俺の前だけ見せて。
俺だけ。こんなセンパイを知ってるのは、俺だけだ。
変な優越感を覚えながら、センパイの乱れてしまった制服を直す。
「センパイ、いくら俺でも無理やりしませんから。それより、コーヒーとココアどっち飲みます?」
退けたネコは机の下で丸くなっていた。
全く。人の気も知らないで呑気だなぁ。
センパイは、少し悩んだ後にココアを手に取った。
「ココア、好きなんですか?」
少しぬるくなってしまったそれを飲みながら、そう尋ねた。
「んー。一番好きなのはアップルティーとかのフルーツティー系かな。でも、甘いものなら何でも好き」
そう言ってセンパイはふわりと笑う。
あーカワイイ。何このカワイイ生き物。
こーゆー瞬間は、神様に感謝するなぁ。
別にどの宗教も信じちゃいないけど。
「そう言えば、このネコどうしたんですか?」
「あーこの子? ほら、窓のとこに大きな木あるでしょ? なんか、登ってて降りられない感じだったから、拾ったの」