空の下で愛を語ろう


「どうしてこんなになるまで走ったの?」



「此を優に渡したかったんだ」



フラフラ状態の洋介がポケットから取り出した物はエンゲージリング。



「1位は無理だったけど…俺と結婚して下さい…」



感激で、次から次に涙が溢れ出す。



嬉しいけど、私は最低な事をした。



「ごめんなさい…私、洋介を裏切った。だから受け取れない…」



「…知ってたよ。相手は要だろ?良いんだそんな事。此からは俺だけを見てくれれば良い…」



私は泣きながら洋介の胸に顔を埋めた。



「優、手を出して」



優しく包んでいた洋介の体が離れると、左薬指に指輪がはめられる。



涙で歪む視界の中、悲しそうな顔で競技場を出て行く要君の姿だけがハッキリと見えていた。





END
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