恋人ごっこ
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「大丈夫」


「何が」


不意に言われたその言葉に、彼の顔を見る。


「っ」


息を呑んだ。
綺麗に笑う彼が、そこにいたから。



「和葉さんは俺が守るから」



「っ、…ばか」


真っ直ぐあたしを見てそんなこと言うから。
恥ずかしくなって、顔を背けて言うことしかできなかった。








不満を言いながらも、あたしが「やめよう」って言わないのはきっと、君の玉子焼きが美味しかったから。
君を怒るのが、なんだか楽しかったから。
君の笑顔が、憎めないから。

君のとなりは、なんだか居心地がよかったから。




To be continue...


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