ハートの包帯
5時限目が終わり、
まだこれから6、7限があるのだけれど
「体育」「LHR」と私にとってあまり重要な教科じゃなかったので、
ふらっと立ち上がってふらっと教室を出た。
ここはそんなにバカ高校だったり、
荒れ狂った学校ではないけれど
私1人が途中で帰るくらいなら、
誰にとってもなんてこっちゃないだろう。
現に、今まで何度となく無断欠席無断遅刻無断早退をしてきたが、お咎めなし。
先生や生徒が私のいないことに気付いているのかさえ分からない。
『彼のことが愛おしすぎて、自分をコントロールできない。』
・・・そんなこと、あるかしら。
さっき読んだ小説のフレーズがふと頭に浮かんで、
いつの間にかしかめっ顔になりながら、
6時限目の始まりを告げる音を背に校舎をあとにした。