smile to me ~ほろ苦い恋の朝~
ーーあれはまだ肌寒い春のお話。
私がまだ高校二年生のとき。
「さ、寒いぃぃぃい!」
情けない声で誰もいない
道の真ん中で叫ぶ。
早朝5時に出歩く人は
ここら辺では私しかいない。
「開いてる...かな?」
家から歩いてたったの五分弱
そこに小さなカフェがあった。
「よかった...開いてた」
何でこんな時間にわざわざ
ここに来るかと言うと...
「おはよーございますっ!」
「いらっしゃい」
Yシャツにエプロンという
何とも雰囲気のでない格好
...なのにこの人が着ると
爽やかな感じがしていいっ!
「毎日元気で何より」
そんな笑顔で言われると
恥ずかしい......///
「ここのコーヒー好きですから」
「それは有難い」
...けどね? ホントに好きなのは
店員さんのあなたなんだよ?