主夫天使!

 ごうんごうんと、洗濯機の中で制服とコートたちが回る音をBGMに、あったかいスープをマグから一口。


「で、アンタ名前は?」

「アキ」

「アキ、ね。あたしは志歩。
アンタどうして、あんなところで寝てたわけ? 家出?」

「帰れないってことから言えば、近いかもしれない」


 ほほー。
 なんだか知らんが、ワケありってことか。

 さらにスープを一口。ああ、インスタントの味が身にしみる。


「で、行くあてもなく、お金も寝床もなく、我慢できずにあんなところで寝ちゃってたと」

「そんなところ」

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