主夫天使!

「……本気?」

「そのつもりだけど、何か問題でも?」


 あいにくあたしは、バイトなんてしなくても、食うに困らない優雅な生活をしている。
 食の細そうなお嬢が一人や二人増えたくらいで、大した家計の圧迫にはならんのだよ。はっはっは。


「問題大ありだと思うけど。
見ず知らずの人間を家に上げる時点で、どうかしてる」



 ――ああ、野良ニャンにもこーいう顔されたことあるな。

 警戒心? 疑心? あるいは、自分を守るためにトゲを抱えた心。
 ちょっと眉を寄せた、困るかすねるかして泣きそうな顔。


 ああもう。そんな風に、どことなく寂しげな表情をされると、ますます放っておけなくなるじゃないか。

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