主夫天使!
にゃー。
か細い鳴き声がどこかから聞こえてきて、あたしは辺りを警戒しながら先を急いだ。
猫が嫌い。
――そんなことがあるわけがない。むしろ大好きだ。
にゃんこもわんこも、その他大体の小動物ならイケる。
ただ、捨て動物を見たら放っておけないタチなので、出来れば出会いたくないのだ。
特に今日のような寒空の下、雨に打たれるわんにゃんを見て、そのままにしておける自信が残念ながらまったくない。
ていうか、こんな日に(いやどんな日でもだけど)動物を捨てて行ける人の神経がさっぱりわからん。
一度飼おうと決意したなら、最後まで責任持たんかいっ!
……雨の中立ち止まり、こぶしを握って心中で力説する女子高生。
我に返ると、とんでもなく恥ずかしいことをしている自分に気付く。