主夫天使!
 いまどき珍しいほど真っ黒な髪。
 合間からのぞく頬は、びっくりするぐらいに白い。
 まるで、血の通わない人形みたいだ。

 まるで――


 そこまで考えて、あたしの足はピタリと止まる。


 ひええ。まさかまさか、ひょっとして?


 おそろしい仮説が頭に浮かんで、嫌な汗がどっとふき出した。
 ジョーダンじゃない。家の前に死体、しかもタイマンでご対面なんて超・勘弁!

 ……逃げたい。
 いや、逃げたら余計怖い。ホトケさんに祟られそうだし、今晩心穏やかに過ごせる自信がまるでない。

 仕方、ない。
 ここは大人しく、腹をくくるか。
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