主夫天使!

 あたしはさっきよりも慎重に、物体Xに近寄っていく。

 雨音がやけに遠く聞こえる。ここだけなんだか別世界みたいだ。


 じりじり。ひたひた。

 息をひそめ目をこらし、物体Xの様子をうかがいつつ、残すところあと2、3メートルってところで、


「う……」


 もぞもぞ。
 なんだかちっちゃなうめき声と、身じろぎ。
 なんだ、生きてるんじゃん。ほっと一安心。


 ――してる場合じゃないって!


「ちょっと、アンタ! こんなトコで寝るなー! 生ゴミで回収されたいのかっ!」

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