今夜も、私は夢の中で
―――――…。
『―――んっ、あ……』
『―――はぁっ……』
静かな部屋に響く、互いの吐息と、熱く火照った体。軋む、白く大きなベッド。
気付けば、求めるままに、求められるがままに、抱き合っていた。
『―――サキ…』
唇と唇が離れたあと、切なげに、私の名を呼んだ、その声の主は――――。
元カレだった。
今、一緒に暮らしている彼氏じゃなく、もう何年も前に別れた、元カレ。
すごく、すごく、好きだった。
ずっと、ずっと、忘れられなかった……。
『―――愛してるよ。サキ』
『―――うん…。私も……』
『今度こそ、ずっと一緒にいよう。もう二度と、離さないから』
優しく私を見つめる、その瞳。
カレの胸の中に引き寄せられ、ぎゅっと抱きしめられる。
懐かしく、愛しい温もりを感じながら、私も、カレの大きな背中に腕をまわした。
あぁ……、私、あなたと、また、一緒にいられるんだ。私、また……、あなたの隣で、笑うことができるんだね。
何だか、夢みたい。まるで、夢みたいだよ………。