【単連】MEETs JUNCTION(BL含)
「人間って、間違いは起こすものじゃないですか、」
「……え?」
彼はポツリと口を開いた。
唇を僅かに上げて。
「その間違いをそうやって認めるからこそ、重く受け止めるからこそ、話せないんじゃないですか? 大切な人なら尚更」
年上の人に諭すなんてそんな大それた事をするつもりはないが、彼はそれでも頼りないこの男に何かを言わねばと思って、そして、頭を過ぎった言葉。
「だって、現に俺には言ってくれてるじゃないですか」
男は少し背の高い彼の顔をポカン、と見た。
「大切な人であれば、遅かれ早かれ話さなければならない時はくる。それをいつ言うか、じゃないですか。決めるのは、自分ですよ」
僅かに傾けた頭で、男に言った時、
「ヤス!」
正面から、一人の男がこちらに走り寄ってきた。
一本の傘を差し、折り畳んである傘を振り回している。
「受け売りですけどね、あいつの」
彼はそちらに視線を向けた。