サクラのハナビラ
「眠れないの?」




桜太くん‥。




部屋隣だったの?!




「あ‥うん‥。」




やば‥声がかすれた‥。



真夜中の廊下は初夏といえども少し冷える。




「これは何の罰なのかな。」




ツンとした空気の中に桜太くんの声が悲しく響いた。




予想外の言葉に足が震える‥。




なに‥?それ‥。




あたしも‥前に同じことを思った‥。




それと同じなの‥?




「お前今の顔すっげーブス!」




へっ?!




突然けらけら笑われるあたし‥。




「バカなんだから顔くらいしゃきっとしてろよなーあはは!」




桜太くんすっごく笑ってる。




あの日みたいに‥。




「な‥によ〜!桜太くんこそ怒ったり笑ったりしゃきっとしてよねー!」


もう‥真剣になったのがバカみたい‥。




すぐ意地悪するんだから!




‥でも何かすごく心地いいよ‥。
< 28 / 59 >

この作品をシェア

pagetop