サクラのハナビラ
「キレイ‥。」




ステンドグラスが壁に埋め込まれてキラキラ光ってる‥。




「俺ちょっと係の人と話してくるわ。」




ヨウちゃんはそう言って出て行ってしまった。




‥残された桜太くんとあたし‥。




長い沈黙を破ったのは桜太くんだった。




「ごめんな‥。」




なんで‥?なんで桜太くんが謝るの‥。




「お前が苦しいの分かる。俺が気持ち押さえ切れなかったんだ‥。」




「でも‥お前のこと好きになったこと後悔してない。ってか‥俺、兄貴の嫁さんとしてお前と出会ってたとしても多分好きになってた。一目惚れとかそんなん分からないけど‥お前見るとやっぱり好きだと思うんだよ。」



心臓をつかまれたように苦しい‥。




もう一度言って。




何度も聞かせてほしいよ‥。




いつの間にかあたし達は手を取り合っていた。




桜太くん。




あたしも同じ気持ちだよ。




何度出会っても恋してしまうと思うんだよ。




熱い涙が頬をつたう。




シンとしたチャペル




2人きり‥あたし達の結婚式みたいだね。







「サクラ。幸せになれ。」






ズンと心にのしかかる言葉。




あたし達に未来がないこと分かってた。




ヨウちゃんを大切に思うから。




桜太くんも




あたしも‥。




中途半端なあたしに決心させてくれる桜太くん。



愛してるよ‥。




あたし達はお互いの手を強く握りしめたま悲しいキスをした。




どうか‥




どうか桜太くんも幸せに‥。






さよなら。






.
< 47 / 59 >

この作品をシェア

pagetop