サクラのハナビラ
「あーあ…やっぱり散ってる‥。」




公園に入って桜の木々を見渡すと花びらが雨と共にヒタヒタと落ちていた。




また強くなり始めた雨に当たりあたしはすっかり濡れてしまった。




それでも気にせず歩いた。




そして今日もあの大きな桜の木の下へむかう‥。



これから何年たってもやっぱり来てしまうと思うよ。




意地悪な笑顔に逢いたくて。




‥!!



あの桜の木の前に立ったあたしは持っていたカバンを地面に落としてしまった。




鈍い音が響く




木の下で‥傘をさす男性がその音に反応してこっちを向いた。
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