サクラのハナビラ
あたしの時が止まる。



止まったように、静かな「今」。



真っ黒な短髪に、透き通るような綺麗な瞳。



惹きつけられたように固まったあたしの周りで、桜のハナビラだけがひらひらと舞っていた‥



「桜の精‥?」



どうしてこんなこと口走ったんだろう。



彼はハァ‥とため息をついた。



「お前さ、もうちょっと勉強したら?桜の精だナンダってそんなことばっか言ってるからdestinyもわからないんだよ。」


‥何それ…



綺麗な顔に全然似合わない言葉使い。



‥あたしどうかしてる‥。



なんてイヤミな人なの…桜の精のはずない!!だいだい桜の精ってなんだ…。



でも‥なんかあまりに綺麗で‥桜が似合いすぎてて‥‥‥思わずそう思った。
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