カノン
怖い気持ちは無くならなかった けれど、
でも…、
親友が一生懸命 励ましてくれてる って いうのが伝わって来て、
何だか すごく温かい気持ちに、なった。
その雰囲気にも押されて、あたしが思わず こくり と 頷くと、
親友は あたしの好きな、笑顔を浮かべた。
「…絶対 上手く行く とは思うよ。
でも、万が一ダメだった と しても、
アンタを慰める為に、待ってて やるから。
だから、思い切り…
……行って来なっ!!」
「……葵、ちゃん…」
思わず親友の名前を呟いた。
″葵ちゃん″は、
すごく優しい顔で こう締め括った。
「…直接 本人に会って、
自分の気持ちを正直に、伝えて来なよ」