カノン
「…姫ちゃん、大丈夫??」
「お酒 飲めないのに、それは さすがに飲み過ぎだって!
もう、やめなさい!笑」
「とりあえず、一旦トイレでも行って来る?」
あれから…
景さんの あの冷たい視線を見るのが怖くて、
ひたすら、ガブガブ飲んだ。
何もかもが分からなくなって、忘れられれば いいのに…と、思った。
…でも、駄目だ。
みんなに促されて席を立ったけど、
何で ふらふら してるのか って いうのが、自分でも まだ ちゃんと冷静に分かってる。
―意外と強いのかな…?―
…いや、違う。
気持ち悪くて 気持ち悪くて、仕方ない。
きっと、体質的にアルコールが駄目なんだろうけど、
精神的に、全然 酔えてないんだ…。
何やってるんだろう、あたし…。