カノン
「……きっと、話したんじゃないですか?
眠ってるリアちゃんの側に居た景、
すごく穏やかな顔、してたから。
よっぽどリアちゃんと良い お話 沢山 出来て楽しかったんだろうなぁ~って、
その景の表情 見た瞬間、思ったんですよ。
それに……
もし話してなかった と しても、
また会って話せば良いだけの事じゃないですか!
リアちゃんの お願いと あらば、景は絶対 断りませんから(笑)、
また いつでも話せると、思います。
リアちゃんに″また会いたいです~″とか何とか言われたら、
景は仕事だろうが何だろうが、逃げ出して会いに来ますよ!笑」
また楽しそうに笑いながら、サナギさんが言う。
なぜ そこまで自信満々に言うのか…よく分からなかった けれど、
でも その言い方の お陰で、心は少し軽くなった気が、した。
「サナギさん……
ありがとう、ございます」
あたしが そう言うと、
サナギさんは、あたしを迎えに来た事に対して お礼を言われたと思ったのか、
冗談 混じりに笑いながら、言った。
「いえいえ!
ここだけの話、
私に とって景の命令は、絶対なんで…。
…特にリアちゃんに関する お願いを断ろうもんなら、
殺されちゃいますから 笑
それより…、
…どこまで送って行けば良いですか?
リアちゃんって確か、
東京の人じゃない ですよね…?」
「あ…」
……あたし…、
帰る場所なんて、無かったんじゃ……?