カノン
「リアちゃんも そういう事…ない、ですか?」
「え…?」
「断られるのが怖くて なかなか誘えなかった…とか、
嫌われてるんじゃないか って、思った…とか、
言われた事、ない…ですか?」
「あ…」
そう言えば……、
…確かに、あった。
あんまり あたしの方ばっか誘ってて、なかなか向こうから誘ってくれないから、
″本当は嫌なのかな?″、″誘うの迷惑なのかな?″て思って訊いてみたら、
全然 逆の答えが返って来た、事。
しかも、同じ人じゃなくて、
違う人で、何回も…。
それに…
まさに″嫌われてるんじゃないか って思ってた″って言われた事も、…あった。
「……」
色々 思い出していると、
声に出さなくても″あった″って いうのが顔に出ていたのか、サナギさんは楽しそうに、笑った。
「……やっぱり 笑
だから、
景とリアちゃんは、雰囲気が そっくり なんですよ。
だから…
2人とも、″縛り付けられない″とか…″何処か行っちゃうんじゃないか″って、思われ易いんです」
「……」
何となく…、
サナギさんの言う事は、理解 出来た。
でも それは、
それだけサナギさんが景さんの近くに居て、
景さんを見ている、という事を…意味していた。
サナギさんは…、
そんなに景さんの事を分かっていて、
景さん からも信頼されていて、
そんなに近くに居て、
景さんを好きに なる事は…本当に ないんですか…?