カノン




「…アタシは ただ心配なの!


そんな最低な奴に騙されてるヒカリが心配なの…!


……ヒカリぃ~…、

ヒカリが利用される って分かってて行かせられないし!




だから ねぇ?」






……だから。






「"好きな人を心配してる自分"が可愛いから、

そんな自分が すごく いい奴だから、

自分に しとけって…?」




「ヒカリ…?」






「あー…せっかく だけど(笑)。


ヒトの悪口 平気で言う奴、

俺 嫌いなんだわ」




「…!」






「俺から手ェ出したから…、

それを責められるのは しょーがない って思ってたけど…。


彼女 責めるの、マジで ないわ。




……離せ」




「……」




勝手な言い分だとは、自分でも思う。


でも、

これで こいつに"酷い奴だ"と思われたら、ある意味 本望だし…

それに傷付けた事に対する後悔だとか反省は、ぶっちゃけ後だって いいけど、

……やっぱり…、

君を、放っとけないから。




今だけは……。





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