カノン
「…あっ それ、あたしも同じです!」
「マジで?
じゃあ……
もしかしてクラシックとかも聴く?」
「…はい。
ピアノ習ってたので、昔は よく聴いてましたよ~。
そうそう、そう言えば
クラシックで特に好きだった曲と、ヒカリさんの作ったSEの中でも特に好きなSEが、
同じコード進行なんです 笑
だから きっと、音の好みが似てるんだ と 思います」
「そう だったんだ 笑
何か こう…、
音楽の趣味が似てるって、嬉しいね」
「…そう、ですね」
そう言って、君は穏やかに、微笑った。
やっぱり、君と ずっと喋ってるの…単純に楽しい。
それに君とは…例え会話が一言も なくても、
穏やかな、優しい時間を過ごせるような、気が…する。
「ヒカリさん…?」
「…あ ごめん、何?」
「いえ、特に何って訳では ないんですけど…
……もしかして、眠いのかなぁ って…笑」
君が気を遣って、顔色を窺うように そう言った。
「…あ~、
ここんとこ仕事 立て込んでたから、疲れてんのかも…。
って、嘘 嘘!笑
それも多少は あるけど…何か、
リアちゃんと一緒に居ると、居心地 良くて」
「………」
そう言ったら、君は少し驚いたような表情を見せたけど、
それから また、柔らかく微笑んだ。
「あたしも……、
ヒカリさんと居ると、すごく安らかな気持ちに なります」