カノン
「……さんきゅー、サナ。
でも くれぐれも、
リアちゃんの事…頼んだよ。
別に お前 疑ってる訳じゃねーけど
あの子…
今日 何か重大な話が あったみたい だから。
…何つーの?
いつもより、精神的に参ってんのかも しんない。
だからさ、
もし1人で居るのが辛そう だったり したら、
暫く俺の代わりに…側に居てあげてよ。
それから…
その話、俺 聞けなかったから、
もしサナが聞けるよう だったら、それも俺の代わりにサナが聞いてあげて。
勿論、出来れば で いいけど。
…よろしく。
あと…」
まだまだ続きが あったのに、
そこまで言った所で、いつもは最後まで俺の話を聞くサナが、珍しく口を挟んで来た。
「ヒカリさん…
まさか
"また"リアちゃん置いて何処か行くつもり…じゃない ですよね?」
すごく悲しそうな顔で、そう問う。
その顔に、思わず罪悪感が胸を掠めた。
「んな訳、ないじゃん 笑
ただ…、
ホントは今日、リアちゃんの話を聞く っていう約束で会ったのに、聞けなくなっちゃったから…
悪いなって思っただけ、だよ。
ほら、俺って意外と約束 守るタイプの人間だから 笑」
「…まぁ それは昔から そうでしたからね(笑)、
分かるんですけど…。
でも…、
やっぱりリアちゃんの聞き役は、私じゃなくてヒカリさんが良いと思いますよ?」
少し納得 出来ない様子のサナは、
何だか悲しそうな顔で、最後に そう付け加えた。