カノン
"んな訳、ないじゃん"という俺の嘘を、
サナは どこまで信じたかな……。
本当は……、
いつか離れなければ いけない って分かってるから、
君の前から姿を消して、もう2度と会わない方が良いのかもしれない
…なんて、考えてる。
今日は どうしても誘惑に勝てなくて会ってしまったけど、
君の気持ちに応えられない って分かってるのに、
傷付けるって分かってるのに…、これ以上 君の側に居続ける自信が、無い。
…君を傷付ける事が、何よりも耐え難い事だから。
今日みたいに一時的に会って話すだけなら まだ良いけど…
ずっと側に居続けるのは……。
―サナは……
気付いたかな―
君だけ ではなくて、
ついに俺は…サナにも、嘘を吐いた。