カノン
『君を、諦めよう』。
その時ふと、そんな言葉が思い浮かんだ。
…何度 思っても出来なかった事を、そろそろ実行に移す時が来たのかも、しれない。
それは自分が傷付く事から逃げている と いうのも、当然あるかも しれないけど…
結局 今の俺には、何を懸けても守らなくては いけない…"バンド"が、ある。
君の…俺を救ってくれた大切な手紙にも書かれていた"運命"という言葉に応えられない、
明確な理由が、ある。
そんな事実と、久し振りに見た"あの人"と君の夢の所為で…
俺は今度こそ、君を諦める決意を…した。