カノン




そのうち君から沈黙を破ってくれたから、

慌てて、"怒ってないアピール"をした。




電話だから表情は見えないけど、無理してでも笑顔を浮かべる。


そうすると、君は雰囲気で感じ取ってくれる筈だから。




君は最初は怯えてたみたい だけど、

本当に雰囲気で"怒ってない"って事を感じ取ったようで、

暫くしたら、いつものように、笑ってくれた。


だから…普通の他愛も無い話を続けた後で

思い切って、切り出してみた。






「…リアちゃん。


さっきも言ったんだけど…、

…家、来てくんない?


紹介したい って言ってたの、

実は あれ、今 勝手に電話 掛けちゃったマネージャーの事で……。


…あいつ、

古株のマネージャーでさ。


これからも多分ずっと一緒だから、

いつかはリアちゃんに紹介したい って思ってたんだ。


さっき電話してた時に、

ちゃんと言わなくて ごめんね。


あいつも全然 悪い奴じゃないし……」






いくら話に乗ってくれたから と 言っても、

家に誘うのは、まだ警戒されてるかな。




それに さっきは俺の所為で話が こじれた ってサナに怒られたけど、

これは正解…?


それとも……。








『…あー、えーと…


そこまで仰るなら、お邪魔させて頂きますね 笑




…あ、でも手ぶらって訳にも行かないので、

何か持って行きます!


何か、食べたい物とか お好きな物とか……』






正解か どうか考えていると、

君が家に来るって言ってくれた。





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