カノン




「……何で、

お前を 部屋に入れなきゃ いけないの?




つか、さぁ…


…そろそろ出てってくれる?




いつまで ここに居る気だよ」




盛大な溜め息と共に そう吐き出すと、

楓は一瞬 引いたけど、直後 今度は狂ったように、叫び出した。






「…っ…!


ヒカリは騙されてるんだよ!




…最近のヒカリは、おかしい!


前は仕事 一筋で…

事務所とスタジオぐらいしか行かなかったのに…!


最近は仕事 終わっても すぐ帰って来ないし、

飲み会だとか先輩の誕生日パーティーが どうとか…


そんなの、毎回 毎回ある訳ないじゃん!




…本当は、何処 行ってんの…?


本当は…女、なんでしょ?


ヒカリは その女に騙されてるんだよ!!」




言いたい事を全部 吐き出して、楓は はぁはぁ と、肩で息を していた。




…俺は呆れて、何の言葉も出ない。





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