カノン




「……」




さっき俺の事を"普段は強気なのに好きな人の前では弱気"って言ってたけど、

サナは まるっきり逆、だよね。




…普段は弱気なのに、

俺の体の心配する時とかは、めっちゃ強気なの 笑。




変わって、ねーなぁ……。








「……ヒカリさん??」




気付いたら、コーヒーのカップを持ったサナが近くに来ていて、

不思議そうに、首を傾けた。


カップを置いても その場に立ったままのサナに座るよう促すと、困ったように暫く立ち尽くしていた けど…

そのうち、素直に俺の隣に腰を下ろした。






「……サナ、

昔から そう…だった、よね 笑




普段 何も言って来ないくせに さぁ、

俺が疲労で倒れそうに なると やって来て…

"ああ しなさい" "こう しなさい"って急に命令口調に なって(笑)、

言う事 聞くまで、絶対 引かないの。


普段は全然 押し弱いのに、ね 笑」




「……」






「何か、

"変わんねーなぁ"って思ってさ…。




俺の周りは目まぐるしく変わったけど…、


…サナは あの頃から何も、変わんない…ね」




「ヒカリさん…、

急に何 言い出すんですか?笑」





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